所長挨拶

 社会福祉は、平成時代に一気に人権を重視する時代へと歩み始めました。そして、障がい福祉の分野においても様々な施策が展開され共生社会の実現が謳われるようになりました。しかし、現実には、今なお驚愕する人権侵害の事案が発生するなど、まだまだ未成熟な社会だと感じさせます。そこで、今後において、我々福祉労働者には障がい者の人権がごく普通に保障される社会を築くための取組みを行っていく責務があると感じています。この取組みへの姿こそが人々を真の共生社会に導くものと確信しています。

 このような思いの中にあって、これからの西駒郷で大切にしていかねばならないことを次のように考えています。

 まず、利用者が人としてあたり前の生き方ができるために、最も基本的な自分の意思に基づいた行動ができることの実現に努めます。施設には、特有の環境や支援力の不足から実現を妨げてしまうことがあります。どんなに障がいが重くても「意思」はあります。その思いを実現できた時に人間は幸福感を感じます。意思による行動は「自律」です。我々の支援で目指すのは利用者一人ひとりが自律した行動ができるようになることではないでしょうか。そのために、「意思形成」「意思表明」「意思確認」「実現」という各段階が満足できる形に支援していかねばなりません。その実践課程には、専門性が必要となります。だから、難しくやりがいにつながるのです。

それから、西駒郷の利用者支援は何を目指しているのかが大事になってきます。西駒郷では、利用者支援の先に地域生活移行があります。そのことを正義として位置付けていくには、人間の生きる場所は「地域」にあるということを自覚することが大切になります。このことをしっかりと支援者の心の中心に落とし込むことがなければ地域生活移行が真実にならないと考えます。地域を目指すことにより支援環境、内容が大きく違ってきます。しっかり、体験や見聞の中で自らが選択し自律的な行動ができるように支援した結果、利用者自身が「施設がいいのか」あるいは、「地域がいいのか」を自己選択の中で決定すればよいと考えます。

 このような思いで今後の西駒郷の運営を行います。そのために、支援者を専門的な知識と技術の他に確かな理念に裏付けされたよい感性を持つように育成していきたいと考えています。

どうぞ今後とも皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。


西駒郷所長 塩沢総夫

2021年6月
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